切り取られる、暦という名で
たりぽん(大理 奔)


暦と呼ぶ刃物で
区切られていく時間
人はやはり
階段でなければ上れない

翼にあこがれるのは
ないものねだり
僕たちはこの与えられた
二本の足で歩かなければならない

登り方は自由だ
降りたっていい
でもどんなときでも
自分の意志でありたい

暦をめくって
何がかわるわけではない
人は太陽の巡りが戻ったことを知るだけで
銀河中心にむかって進む螺旋を
知ることもない

巡ってなどいないのだ
二度と戻りもしないのだ
あの朝焼けも
夕焼けも

忘れてはいけない
波際にかすかに残った
足跡、波の音
旅程という僕らの
不器用だけどほんとうの
真実よりもたしかな事実

ただ、僕らは叫ぶのだろう
新しくありたい
新しくありたいと
暦という刃物で区切られていく
そんなものではなく




自由詩 切り取られる、暦という名で Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-01-01 00:01:00
notebook Home 戻る