間に合わない体
A道化





視界にて
生成される
着色料と甘味料


そこから逃れるようにして
ぽとり、と、うつ伏せるしかない
あなたとわたし
春に間に合わない体



ああ
お砂糖の誇示が
春の顔を頬だらけにするのを恨んだりはしません
ただ、心と体、間に合いたかったのです
成分表示に快く妥協できる心と心に、なって
着色料と甘味料に頬を預けることの出来る体と体に、なって
ただ、間に合いたかった、間に合いたかった、間に合いたかった
それだけなのです



桜色を
耐え切れなくなった木々が誇示する
お砂糖と色素、お砂糖と色素、お砂糖と色素


これ以上目を逸らす方向が奪われるなら 
ぽとり、と、目を閉じるしかない
あなたとわたし
春に間に合わなかった体



2004.4.2.


自由詩 間に合わない体 Copyright A道化 2004-04-03 17:52:48
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