「 ぼくらは毎日こわれてゆく。 」
PULL.







こんなたとえ話から、
はじめてみます。


ぼくは毎日こわれています。

それは、
九十八マイルの速球を投げた、
松坂大輔の肩が、
一球ずつ壊れてゆくように。
またそれは、
鮮やかなエラシコを魅せる、
ロナウジーニョの足が、
一試合ずつ壊れてゆくように。

ぼくは毎日こわれていってます。

テレビに映る彼が、
美しいと口にする度に、
日本がこわれてゆくように。
白いお家の彼が、
平和を口にする度に、
地球がこわれてゆくように。

ぼくは毎日こわれてゆきます。

.
こうしてキーを、
一文字打つ度に、
ぼくの中の言葉は、
こわれてゆきます。
.
いずれもっとこわれて、
恐くなって書けなくなって、
こわれるところがなくなって、
こわれて終わりです。
.
ぼくは毎日こわれてて楽しいです。




さて、
話を振ってみます。

こわれていってるんじゃないかな?。
書くごとにこわれていってるんじゃないかな?。
読んでいて、
そう感じます。

考え過ぎなのかもしれませんが。

松坂大輔もロナウジーニョも消耗品です。
酷な言い方だけど、
そう考えないと、
すぐにこわし潰してしまいます。

大切な消耗品だから、
こわしても潰さないように、
彼らは使われ、
扱われています。

誰かにとって大切なあなただと想います。
こわしても、
どうか大切にして、
潰してしまわないで、
毎日を毎日迎えてください。




おせっかいですね。
そうですよね。
でもそれを、
承知で書きました。

ごめんなさい。












           了。



自由詩 「 ぼくらは毎日こわれてゆく。 」 Copyright PULL. 2006-12-28 14:21:04
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