想い出から
和泉 輪

青空や涙や鉄や靴
そのようなものと
血が繋がっている子


白昼のなかに
いつかのおまえは佇む
姿かたちはみえないのに
挨拶する声が聴こえる


十二月の終わり
終業式を終えた子たちが
跳ねるように歩いてくる


  「君たちのお母さんの
   幼い頃を憶えています」


  「ごきげんよう」
  「さようなら」


かつて青空の下で行われた
数々の楽しいこと美しいこと
それらの全てが私たちの
新しい伝統になればいい


自由詩 想い出から Copyright 和泉 輪 2006-12-27 17:57:04
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