母へ思う
eris

母が苦手だった
僕のこと
何でもわかってるように言うから
イライラした

でも 
母と大喧嘩した日の夜
ムシャクシャして寝付けなくて
水飲みに降りた時
僕は 見てしまったんだ

小さな電灯の下で
声を殺して泣く母の姿

僕は
駆け寄ることも
母から目を逸らすことも
何も出来ず ただ突っ立っていた

「ごめん お母さん」
そう素直に言いたいけど
僕は言えない
だから 心の中でちゃんと言うよ

この日から
ほんの少しだけ
母へのイライラが減ったような気がする


自由詩 母へ思う Copyright eris 2006-12-27 01:08:05
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