欲しい言葉
アマル・シャタカ

私が欲していた言葉の先にはあなたがいた
たとえその姿が偽りであっても
私には溺れるより他にない
軋む身体をつなぐあなたの声が
また私を壊そうとする
寂しさと不安の合わせ鏡に写るのは
あなたであって
愛ではない
そんなことわかっている
降り積もる言葉に埋もれても溺れても
私にはあなたより他に場所もない
私の欠片にあなたの欠片を合わせて
隙間を埋めようとするけれど
合わない穴から心零れて
今もまた
心が零れてしまわぬように
意味の無い互いの言葉で隙間を埋めて
塞ぎきれずに二人の心は堕ちてゆく
疑いの心の暗がりで鬼がわらう
欲していた言葉だけで
欲していた心なんてないんだよと
鬼の声を聞かないようにと耳を塞げば
あなたの声が届かない
散ってゆく心を数えているうちに
私は私でなくなった


自由詩 欲しい言葉 Copyright アマル・シャタカ 2006-12-25 23:16:30
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