群青を連れて
こしごえ

いつくしむ
いつくしむということを
忘れ去ってしまったならば
それは つながりのもつ距離が
不鮮明にとまどっているの
けれど立ち止るな
そこは業火の唸る 底無しの淵だ

それでも振りかえれば
どれだけの道程みちのりを歩いて来たというのか
このアスラの住む地底には
いまをもっても灰へはかえれぬ
詩人の心臓が青く律動している

(青が張りつめる架空の色)

歪曲した雑音ノイズにも
さびることを知らぬ声が
めぐりめぐって旋律になる
よろしくて?
その空間連続体では
さみしさは
未だ届かぬ星の光で
かなしさは
色もなく咲く花の種子で
よろこびは
日に透けた風に舞う翼で
いつくしみは
虹を帯びた太陽へかえる

(青く張りつめた架空の色)

数えきれぬほどの群青の唇が
終着点へ言い放ったのは
私だったろうか

静かなる原動力の
胸の痛みが消えぬうちに
思い出せばいい
おまえたち
おまえたちよ
こぢんまりとした仕合せを
純粋する斜陽の残り火に焼べよ
その時
リズムが燃えさかる

あおい炎が夕べを焦がし
夜の距離を縮め始める
星星のいぶきの響く音色が
青やかに 忘却をあとにして










※アスラ=阿修羅





自由詩 群青を連れて Copyright こしごえ 2006-12-24 09:38:28
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