手の中の残像
プル式

その一・命と言うカテゴライズ

風呂は命の洗濯だと言うのだけれど
どうやら私は洗濯をし過ぎた様で
首やら袖口やらなにやらなにやらが
伸びてぐたりとなってしまったらしく
そいつ等を支える事が出来ません。

その二・笑うと言う意味

あぁ、と風呂の端に首やら腕やらを乗せると
天井の模様が僕を見てにやりと笑うものですから
指をさして、なんだこのヤロウなんて呟いてみたらば
それを見ていた洗面器がカラカラと笑いました。

その三・行き場の無い出口

居た堪れずに飛び出した私は
君に電話なぞしようかしらと思ったのですが
やはりそう言う訳にも行きませんでしたので
君を思いながら一人耽りました。

その四・自意識と言うコンバイン

珈琲を飲んで一息ついた後で
そうだと思い出して
風呂場の換気扇を回しました
明日の朝には笑い声もきっと
乾いているでしょう。


未詩・独白 手の中の残像 Copyright プル式 2006-12-24 01:04:42
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恋の歌