たもつ



僕らの虹が逝った
二人で棺に入れると
弓型に過不足なく納まった
最後まで色たちは
混じることも濁ることもなかった
一緒に入れた物がはみ出ていたので
係の人が少し押し込み
蓋は閉められた
雨上がりの空に虹がかかっている
あれは私たちのではないのね
君は言った
クラクションを鳴らし
草色の車で出棺する
白い塀に沿って角を曲がるまで
なるべくたくさん手を振った
虹の口真似をしてみる
昔はもっとうまかったんだよ
ほんとうに、たぶん
勿体ないくらいの光が溢れて
風景を包み込んでる
こうして
僕らの結婚式は終わった



自由詩Copyright たもつ 2006-12-22 22:36:55
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