駅・新橋
たりぽん(大理 奔)

洋光台から各駅停車の二両目に乗って
寝不足な頭は
昨夜の反省をする朝、七時十六分
このまま終着まで眠りたい

飲みなれない酒を勧めたせいか
君はとっても不機嫌で
なのに君のほんとうを見たような気がして
うれしくて小さく笑ってしまった私と
より不機嫌になった君を
忘れないように
うたた寝の夢で思い返す

   このままゆられて、どこに行こう
   終着駅のその先の暗闇のような

目覚めると、新橋

   そう
   あなたの名前は
   私の胸を焼いて奏でる
   あの音に似ていて
   連結器の出す
   あの音に似ていて

もう走らない蒸気機関車に
一番近い格安チケット屋で
切符を手に入れたら
故郷に帰ろう

一番ゆっくり、たどり着く方法で
不機嫌な君を連れて






自由詩 駅・新橋 Copyright たりぽん(大理 奔) 2006-12-19 23:07:35
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