暮れの路上
砂木

黄色から赤信号に 変わった
コンビニエンスストアの 前の交差点

朝 うっすらと雪で凍っていた路上も
お昼を過ぎる頃 スリップする心配もわずかに緩み

直進の列に いつものように 並び
ゆっくりと ブレーキを踏み 踏む

お弁当 390円の青い旗が揺れている
師走の風が 車の外で吹きあらんでいる

店のすぐ前の青い旗で 風をよけるように
まだ若い男女が 大きなおでんのカップを持ち
楽しそうに 話している

人目につくことも 年頃だと言う事も
この寒さでは 問題にもならないのだろう

暖かいカップを 両手で持ち
暖かい日のように 笑ってる 

青と呼ぶ 緑の信号に 変わり
交差点 真っ直ぐに スピードあげ

まだ 降ってない雪の重みに
追いつかれそうになるけれど

青い空をみつめて
みつめ 続けて 

旗は ない
けれど

醒めないから熱だと
進んでいく


自由詩 暮れの路上 Copyright 砂木 2006-12-19 22:49:22
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