「 しんでるいきてるデス。 」
PULL.







どおぉーんとした夜明けには、
ゾンビがどんどん生まれて死なないのデス。

もしもーし。
死んでるデスか生きてるデスか。
もしかしてゾンビさん、
デスか。



あのやわらかなゾンビの頬は、
とても美味しく熟しているのデスか?。

好みじゃない。
それあなた、
ひどい言い方デスよ。
あやまりなさい。
デス。




ああ、
人間は簡単に死ぬのデスから、
面白くないのデスので、
狩りを楽しみたくて、
ここに来たのデス。
人間じゃない、
ゾンビ。
狩っても罪じゃない。
そう聞きましたよ来ましたよ楽しみデスたよね。


もう一度死ぬデス。
火はすべて清めます。
わたしとっても正義デス。
正義は、
死ぬましたか、
わたし死ぬでないので、
正義は死ぬませんの、
デス。






 火炎放射器に撫でられて、
 あたしはとてもあたたかい。
 ゾンビですもの。
 死んでたって生きてたって、
 心はあるの、
 悲しいの。
 抱いてあげるわ。






ダイては、
死ぬデスか、
まだ死ぬは早いデス。
死ぬたくはない、
デス。
せめて、
ゾンビにして死ぬデス。
お願いデスか、
わたし悪くないの、
デス死ぬの、




 あなたは人じゃない、
 けだもの。
 ゾンビ以下。
 だからただ死んで、
 殺すの。



ああああああ、
ダイて焼かれて死ぬで逝く。
でもこれはこんな、
はじめて、

デス。
ありがとうございまデス。
母にもない、
はじめてのダイの抱擁だった。
もしわたし、
あなたが死ぬ前に出逢っていた、
なら、
わたしこんなにんげ、








 あたしもあなたも、
 死んではじめて、
 人になれた。
 心からの、
 ひとへ、












           了。



短歌 「 しんでるいきてるデス。 」 Copyright PULL. 2006-12-17 13:58:56
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