ヒビコレ
nm6

 
 
 
 
その人はヒビコレ
彼に別れを告げられることのほうが
彼が死んでしまうことよりも
つらいといった

渋谷のヒビコレ
町でいちばんの
愛することばが流れてしまって
待ちくたびれた金属の鈍く光るの

もう、光るの光るの
ったら




中学生がこちらをじっとみている
ダンス、東京





その人はヒビコレ
地球をこわさない渋谷の
町でいちばんの
美女の
ついた嘘の
半分は信頼が目的だった
残りの半分はやさしさではなく
ましてや頭痛に利くわけでもなく
路上にころげて
二一世紀・スピリットを照らしている
人工の
待ちくたびれた金属の
宙に浮いて
ピタリと止まって
嘔吐、テレビ番組
嘔吐、
忘れたいことも忘れないようにやってくる



いまを、
いまを、

悲しいから投資なんてやめておきなさい、と
少し偉ぶって路上の
生活者がいう

いまを、
死んでもいいようないまを、



その人はヒビコレ
彼に別れを告げられることのほうが
彼が死んでしまうことよりも
つらいといった

いまを、
ぼくらは路上を、
愛することばが流れてしまって
ぼくらはショウジンしない
その人はヒビコレ
ぼくらはいまをダンスしている
ダンス、東京
ダンス東京にタワータワー
愛することばが流れてしまって
愛することばが流れてしまって
もう、光るの光るの
ったら
タワーが
光る


自由詩 ヒビコレ Copyright nm6 2006-12-12 22:20:21
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