ドロシー、カサブランカ、喪中の君が
たもつ

ドロシー、カサブランカ、
喪中の君が
家の塀で遊んでいる
数台の引越しの車が側を通り
今日もどこかで引越しがあるのだ
と何となく感じる

言葉はまだ書けないから
でも言葉はもう口に出来るから
しゃべって
それからもっと沢山しゃべって
ドロシー、カサンブランカ
夢を見た朝は
伝えたいことばかり

ドロシー、カサブランカ、
世界は何で未来に向かっているのか
なんて君は思わない
思っているのはいつも僕の方だから
それより君は
一週間前のことすらも
うまく思い出せない
思い出す必要もないのだけれど

水色のおもちゃが
壊れて土に転がってる
君の名を書いてくれた大切な人に
いつか温もりを与えるのは
たぶん君だ
ドロシー、カサブランカ、
風の良い匂いがしている間
少し黙ってる


自由詩 ドロシー、カサブランカ、喪中の君が Copyright たもつ 2006-12-10 20:24:47
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