可惜夜
落合朱美


長い夜の
ゆめとうつつの狭間で
わたしたちは
何度もたしかめあって
疲れはてて
耳元で
あなたの鼓動を聴いて
おなじ速さで脈打つ

長い夜だから
そんな時間がふえて
すこし持て余すくらいの
贅沢におびえて
泣いてみたり
ときおり指先を
つよく噛んで
歪んだくちびるを貪る

ゆうべ嵐がきて
街路樹の彩をみんな
さらって行ってしまったから
冬がくる
もうすぐ街は
煌らかなイルミネーションで
覆われて
そうしたらわたしたち
光の裏側で
ひっそりと埋もれていたい

ひややかな空気が
火照った躰に
針をおとしても
その痛みさえ愛しくて
永遠に超えたくないと
背中に爪をたてる
わたしたちの
長い夜






自由詩 可惜夜 Copyright 落合朱美 2006-12-10 16:16:36縦
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