凍夜
たりぽん(大理 奔)

眠りに落ちると
いつもそこは凍夜
誰にもじゃまされず
暗闇を独り占めする

   外ではひどく激しい気流
   雲で空に恨み言を描き付けて

あのころって、いつだ?
わたしたちって、だれだ?
曖昧にすることで優しいのなら
いらない、そんなもの

   外ではひどく激しい気流
   雨に溶けていく蝋石の落書き

生きているよりも大切なことが
あると、君は言ったが
語り継いでいくわたしたちが
背負うあのころを君は知るか

   あのころって、いつだ?
   わたしたちって、だれだ?
   曖昧にすることで優しいのなら
   いらない、いらない

外はひどく激しく
誰にもじゃまされず
雨は、眠りに







自由詩 凍夜 Copyright たりぽん(大理 奔) 2006-12-08 00:44:07
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