君がいなくなった部屋で僕は呼吸をする
君の香りが消える瞬間を見逃さないために






僕も世界もなんて平凡でつまらないんだろう
もっとずっと素敵なものだと思っていた
思いたかったよ

おとうさんとおかあさんとてをつないでかけぬけた
さくらなみきはどこにいったんだろう
今日、
一人だった僕の上の傘の上で桜が泣き腫らしていた

人と人が忍び寄るのは
相手を捕らえて食べてしまうため
そうでないなら、食べられてしまいたいと願っているため

おとうさん、おかあさん、
ぼくは、きえてなくなりたい
ぼくは、あなたたちによくにていて、こいがむずかしいから






今日の雨が辿りつくのは誰の手のひらなんだろう
僕は簡単な方法でまだ生きていて、そして君の香りが見えなくなった