雪ん子のうた
恋月 ぴの

雪ん子舞い散る故郷から
童子たちのまぶしい笑顔が消えた
あの頃の笑い声は
顧みることを忘れた古いアルバムのなか


北風ぴゅうぴゅう寒かろう


すっかり刈り取られた稲田を望む
古びた祠の
お地蔵さんよ
終の棲家は何処にある


北風ぴゅうぴゅう寒かろう


何処まで押し流されていくのかなんて
知ったことじゃない
中途半端はよしてくれ
したりとまどろむ眼差しは
そんなものさと黙するばかりで


それでも忘れられた訳じゃ無いのさ
ひとりぼっちになった訳じゃ無いのさ


さらさら舞い散る雪ん子は
こっちにおいでと呼んでいる
一緒に遊ぼと呼んでいる


自由詩 雪ん子のうた Copyright 恋月 ぴの 2006-12-05 23:38:41
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