冬の情景
ふるる


街は
灰色にかじかんで
遠くを見る



丹念に編み込まれた
木々のレエス
鳥が壊す


画廊

画廊の扉は
今日も閉じられて
あの絵も外された


喫煙所

小さな火を借りようとかがむ
さびれた工場のように煙を吐き
黙る



雪は白く白くいつまでもやまない
天使は降りてこない


手袋

駅の
ひえきった手すりに
片方だけの手袋がいつまでもある

肩におかれたやさしい手のように








自由詩 冬の情景 Copyright ふるる 2006-12-05 14:39:34
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****印象詩っぽい*****