せるびあ燈
ミゼット



古い階段の踊り場に
私の母親が立っていて
壊れて逆周りをはじめた時計を眺めています。

腕を広げた真ん中では
なんとか時間を戻そうと
それはそれはちいさな弟が
歯車の点検をいたします。

配達夫の父親は、今度はいつ、帰ってくるのでしょうか。

抱かれているのは
幼い日の私です。

そして、これら全ての工程が
感情を呼び覚ますのです。



自由詩 せるびあ燈 Copyright ミゼット 2006-11-30 19:16:27
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