回転寿司の恐怖
黒川排除 (oldsoup)

 とうとう、自動式回転寿司で死者が出たというニュースが新聞に載った。

 あれが登場し始めた頃は本当に怖かった。その前にあった、手で回すタイプの回転寿司も怖かったけれど、自動式のは容赦なく回っていく。杖をついている人や車椅子の人、目の見えない人はどうしているのだろうと本当に不思議だった。勿論、そういう人で上手に回転寿司に対応している人は沢山居ると思う。某駅のエスカレーターが、視覚障害の人に配慮していないという理由から地面に張る黄色い点字誘導ブロックが外され、エスカレーターを便利に利用していた視覚障害の人から抗議の声があがったことからも確かだ。

 でも、普段元気に食べているくせに、時々過去を引きずって他の人のテンポで食べられなくなる私は、どう対応していいか戸惑った。怒りを感じた。

 自動回転寿司はどんどん普及した。特に、老舗に。

 ということは、お年寄りやこども、板前からの抗議はないのだろう、他の方式の寿司より便利なのだろう、と無理やり自分を納得させてきた。

 そうしたら、やはり。死者が出た。

 ひたすら回っていく寿司は、愛情がない。

 大きくて食べづらい寿司は、ちょっと立ち止まって後のネタを待つ配慮を要求されてたのに。


散文(批評随筆小説等) 回転寿司の恐怖 Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2004-03-28 17:25:17
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