別腹 3 (アイス)
AB(なかほど)

風呂からあがって
アイスを取り出し
座り込んで一口と
したとき
ふと
思い出した
この
ふと
っていうのは便利な言葉で
きっとどっかにとっかかりはあって
それは
忘れたつもりでいたもろもろの
もろもろ すぎる ほど
もろもろの こと
例えば
まったくもう
どこに行ってたのよ
なんて
君がほっぺを膨らませてた夜
のこと
君の好きなアイスを買いに
ひまわりストアまで行ってたんだよ
ってこと
言いそびれたまんま
ぎゅって
抱いてしまった
あのときのアイスの行方
知らないかい
と振り返ったところで
ふと
あの夜とは違う君が
ほっぺを膨らませている






自由詩 別腹 3 (アイス) Copyright AB(なかほど) 2006-11-28 23:50:47
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