あざ
tonpekep
文章が
飛行してゆく
文章が飛行した後を見上げる
たなびく理の跡
ボーイングの羽の撓みのような
少しきょうふ感のある
右上がりの字を気にしながら
ぼくは帽子を深々と被り直す
いつか離陸し
いつか着陸し続けた
入り口も出口も
透きとおった書音がした
それはぼく自身の
一方通行だったようにも思う
ずっと夢という字を書き続けていたような気もする
それがぼくの時刻だった気もする
自由詩
あざ
Copyright
tonpekep
2006-11-26 23:08:26