トーエ
砧 和日

河川敷でオギの群生が燃えて
大量の灰が河を流れた
きいろいでかいはな
きいろいはやいでんしゃ
それ以上は小さくならない単位からの
新しい組成の可能性が
河原をすすむほどに薄れて
遠いところでピストルが撃たれた予感があり
自動車が何台もいっせいに走り出した
ピストルが撃たれたらしい瞬間よりも
少しでも以前に到着したくて
どの自動車も先を急いだ


自由詩 トーエ Copyright 砧 和日 2006-11-25 21:12:18
notebook Home 戻る