沈黙の為に++
六崎杏介

沈黙から、また沈黙する為に。


いじめ・自殺に関する書き散らした文章と様々なレスと名指しで書いて頂いた文章へのレスとして。

このまま黙っているのも失礼かと思い、さらに失礼かも知れない事を。

ここ数日、仕事に忙殺されるままほったらかしにしている間に、上記の物に対する関心が失せた。
放って置こうかと思いつつも、他の方々の、少なくともキーを打つ分の労力には報いなければ、と思い立ち。

11/16の酩酊から、二日・三日で消えた悪寒へと。


「弱い人間から死んでゆく」
この、本当の事がなかなか見えないが故に、やけにイライラしていた。もっとシンプルに、と思っていた。
しかし、今は色々な人がいるな、という感想しか感じない。その一言で通過出来るし、本当にどうでもよくなってしまった。
それよりも日々の安泰や仕事、自然の美しさや酒の美味しさ、クスリの苦み、食事、言葉遊びの勉強、それら個人的な天国の方に興味が移った。
現在、周囲には燃える様な紅葉が広がり、たまに通る車のライトに浮かび上がる並木の端正さが酔った目を楽しませている。

それで終わるのもいいかと感じたが、もう少し書こう。また黙して語らず、だから少しでも報いなければ。

以下、恐ろしく恥な文章を晒す。これを以って沈黙したい。

人それぞれに罪の意識、幼年?いや、それ以前に負った、原罪的な意識とそれに対する罰、悪夢のイメージがあるのでは無いか。
それは自分にとっては、「数百年の間、一年に一つづつビーズを通し続けていた紐を切ってしまった」意識と「鈍器の様な物で顔面を何度も殴打される」イメージだった。
原罪の。それは自らの関与してしまった、ほとんど殺人に等しい事案の暗示かも知れないし、父親が祖父から家督を継ぐ事を諦めさせた自らの不義についてかも知れない。これから犯す何かについてかもしれない。
覚えていない位昔にそれを意識して以来、他人に何かを期待する事を止めた。
他人、世界は件の罰が来る迄の暇潰しの為に存在する様になっていった。諦めてしまった事が、よく分からないが敗因の気がする。
世界から何か、何も起き無い事を含めて、面白い反応があればそれでまあいいという気がしたし、今もそういう気分だ。
何か自分を楽しませる反応を世界がしてくれればラッキー、不幸にも不幸な役回りが当たった、又は与えた方にはお悔やみを申し上げます。
薄く水を引いた絹に、顔料のたっぷり含んだ筆を落とす。意図した、又は意図しなかった滲み。その観察。生きる事はその程度であった。
いつか罰が来て死ぬんだろう、その諦念がとても甘くなる程、悪夢は非現実的でリアルな威力・強さを持って頭を満たしている。
何によって死ぬのか、誰によって死ぬのか。そんな事はどうでもいい、と思えて仕方が無い。
故に一人で、命的には自己責任で何でも出来てきた。誰かからの復讐やら薬理による発狂やら、別に今でも罰は何でも、何時でもいい。
「もうずっと取り返しがつかない!」、世界に対するスタンスはもう変わり様が無い。故にもう通過する。


気分を害した方、励ましやご心配を下さった方、他、大変申し訳無いけど、数日変なイライラと共に楽しませて頂きましたが、もう興味が失せたので、この一連の流れから降りさせて頂きます。
もし、僕に言いたい事や聞きたい事、批判があればまたコメントか私信で。
それでは、筆を置いて眠ります。どうぞ良い夜を★


愛を込めて 6咲き


追記
みさとさん:取り返しがつかないのは原罪の意識の事であり、自分の文章の事では無いです。

追記2
みさとさん:償いも何も、原罪に対する罰、悪夢のイメージがいつか現実に何らかの形で起こる事はすでに確定している事なので、後はそれを待つだけなんですね。それと、僕が苦しんでいると誤解されている方が多い様ですが、精神的にも肉体的にも非常に満ち足りた生活を送っています。少なくとも必死に前向きに生き様と努力しなければならない方々よりは。それでは。


散文(批評随筆小説等) 沈黙の為に++ Copyright 六崎杏介 2006-11-21 23:13:43
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