落第する大人たち
ぽえむ君

落第してゆく大人たちを
進級してゆく子どもたちが
通り過ぎてゆく

落第する大人たちは
進級することは過去にしかないと
思いながら
冷えた体で下を向いて歩いてゆく
丸まった背中が小さくなってゆく

進級する子どもたちは
落第することは未来にもないと
思いながら
熱い心で空を見上げて進んでゆく
伸びた背中が広がってゆく

互いの存在が交差する
見下ろす悲しい視線と
見上げる無垢な視線が
重なり合う

落第してゆく大人たちは
今まで忘れていた
雲を見つけ
進級してゆく子どもたちは
今まで知らなかった
石に気がつく

落第してゆく大人たちを
進級してゆく子どもたちが
通り過ぎて
離れていった


自由詩 落第する大人たち Copyright ぽえむ君 2006-11-19 13:36:26
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