毎朝が来るまで
湾鶴



1.
内ポケットに入り込み
しっかりとボタンを留める
頭を膝にうずめて
もれてくる光が無いことに
安堵


2.
予感と習慣から
ふいに
ひたいに張り付いた前髪をかきわけ
顎を上げると
亀の海鳴りが
聴こえたような気がした

3.
ぼんやりとした感覚のなか
北緯35度の体温は急激に奪われ
温泉・クリームスープ・毛布・肌・
ストーブ・おでん・縁側・熱燗・
炊き立てのごはん・・・
連想しても
さらわれてしまい
集められた絵空事は
徐々に熱を帯びはじめ
縫い目の奥から刺激となって
今日も表れて来る 朝日



自由詩 毎朝が来るまで Copyright 湾鶴 2004-03-25 00:59:30
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