洗面器と親父
atsuchan69

潮の、))) ほとんど動かぬ 海の近く
馬鹿野郎どもの穢れた営みの
澱んだネイティブ・ジャパンの痴呆都市に巣食う
親父は かつて高校教師だったが、
少女売春で巨財を築き
いまでは某組織の親玉「P」である

Pは、昼間から
ゴシックロリータの少女を
おひるねだっこちゃんに拉致/そして暴行

夜は地元政治家の接待に明け暮れる

「俺はナニやっても捕まらねぇんだ、ヒヒ
等と、つぶやき 「胃の調子が・・・・

「それでいくら欲しい?
「キャッシュで、たった二十億。
「ビルでも建てるのか?
「いや、その反対だよ。父さん
「何をする気だ? また騒動をおこして雲隠れか
「駅前のビルが安く売りに出ている
それを買い取って解体。その跡に・・・・
「その跡に?

「ああ、その跡に
巨大な『幸福の王子』の像を建てるんだ。 )))

「夕べは度を超して呑んだからナ
あっ、気分が悪くなってきた・・・・
Pは書斎机の下から洗面器を取り出し、
幾度となく、吐血した。

「父さん、血を吐いているよ
どうしてさ?
「夢のかけらを食いすぎて、胃に穴が・・・・いてて
――頼むから、今日は帰ってくれ

「いやだよ、お小遣いくれるまでは。
元町の親分さん、
僕の云うことならなんだって利いてくれるし
チンピラ使ってまたホテルの前で暴れさせちゃうよ
あのホテル、父さんの表の顔だろ?

Pの顔は蒼褪めていた。
「か、母さんはどうしてる・・・・?
「ホストのお兄さんと、外国へ旅行中
「そうか、ううっ・・・・しんどいナ
とにかく金はやらん。早く帰れ!

「ちくしょう
僕は、かっとなって
洗面器をPの顔に被せた
机の上にドス黒い液体が零れおちる
やがて床に洗面器がころがって
血まみれのPの顔が覗く

「ぐっぐ・・・・なんてことするんだ

あっかんベー
ざまーみろ、P//



※この詩はフィクションであり、登場する人物、団体などはすべて架空のものです。



自由詩 洗面器と親父 Copyright atsuchan69 2006-11-09 17:28:11
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