でたらめな星の水族館
たりぽん(大理 奔)

くぐり抜けていく
いつも裸足だ
闇のそばでは

どうして自分だけは
かわらなくていい、などと
つぶやいていたのだろう

   ああ、それはちがうよ
   タングステン
   熱で溶けにくいからこそ
   明るく輝く
   焼き切れる刹那に
   誰よりも明るく
  
マンホールを踏み抜いて
本物の夜を手に入れる
冷たい手が触れたときに
はじめて気づく体温に

うなされる朝が来て
包み隠す、いつも
裸足だ、闇のそばでは

自分勝手な結末を強要して
時間がくれば消えてしまう
くだらない星座達のフィラメント
でたらめな空に
君が指し示した
透明で巨きな水槽に
ひときれの海月くらげ
かすかな
、体温

   


自由詩 でたらめな星の水族館 Copyright たりぽん(大理 奔) 2006-11-04 00:34:14
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私的星座盤