憧れは遠く遠く
AKiHiCo
近付かないで近付かないで
どうせキミも離れてしまうのでしょう
それならば最初から優しくなんかしないで
独りきり夢の中でずっと
あすこに見える建物に憧れて
息を殺して積み上げてきた
唯一在る僕の居場所
僕の城
僕だけの、
触れないで触れないで
壊れてしまうのが怖いから
今を失いたくないから
スピカさえ撃ち落とす輝きを
僕は持っているのだと信じたくて
ここは僕が創り上げた白亜の城
僕が独りで独りきりで、
誰にも彼にも立ち入る事などさせはしない
次は鋼で門を創ってここを守らなければ
広いこの城の壁は真っ白
何もない何も描けない夢の欠片を
集めて創った脆い哀れな僕の城
現実から逃げ出してしまった弱い心では
この世界さえ掲げる事は出来ないけれど
せめて夢でだけは頂点でいさせて
あのリゲルのように目映く、
あすこで煌くのは孤高のカノープス
僕もあんな風になれたなら