煙雨
霜天

音も無い
そんな雨に出会って

そんな中に
佇んで
包まれて

張り付いた前髪から跳ねる雫も
もう遠くの出来事のようで


霞んでいく風景に
この道はどこへ行くのかと
この私はどこへ行くのかと
そもそも道はあったのかと

流れる車のヘッドライトも
少しだけ早い街の明かりも
もう遠くの出来事のようで


見えないことだらけだけど この世界
見えなすぎても歩けない
街はそうして 煙るだけ


霞むカーテンの内側で
果して頭上でこの空は
晴れているのか曇っているのか


自由詩 煙雨 Copyright 霜天 2004-03-20 17:02:10
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