画伯の無情
不老産兄弟

面接を何度も失敗しているうちに
僕は何もいえなくなってしまった
もう面接はこりごりだよ
面接官は人が聞かれたくないことを
きっと知っているんだ
くそったれ

泣いても笑っても
母親が一緒に来てくれるわけでもないし
怒ってやつらをぶん殴ったら
すぐにたくさん人がやってきて
僕はつまみ出される

それが会社というもの
所詮は会社もサブローの手下さ

みんな変わり果てちまった
もう二度とやつらを信じることなんでできやしない
サブローがまだ長男だったとき
僕たちは大地にまたがり
しなやかな青空の先端を弾きあっていたのに

今の僕は性欲が足りない時がある
そしてこの性欲が足りねえのが
数千年に一度起こるといわれる
性欲たちの絶滅を思わせる

箱根山頂の露天風呂から見渡す景色は
なんとも絶景だ


自由詩 画伯の無情 Copyright 不老産兄弟 2006-10-27 12:17:50
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