ここにある空
霜天
振り向いた先が
届かない思い出だったなら
胸に少しの痛みを
感じることでしょう
昔のノートを整理していると
ページに挟まってあなたがいました
ピントの合っていないぼやけた横顔でも
今もあなたとわかります
あなたの後ろは
これ以上無い 青
止まったままの歯車が
何処かでかたりと動きだす
今更回っても仕方がないので
手を添えてまた止める
指が挟まって痛かった
それは言えないままに空に投げた
漂うだけの想いのようで
いつか降ってこないかと
私は見上げてしまうのです
あなたの後ろは
何時でも 青
白と黒とのストロボが
あの日の空を切り取ったように
ここにある空は
今日もこんなに青いのです
自由詩
ここにある空
Copyright
霜天
2004-03-19 16:41:28