凱旋門
馬野ミキ

俺はコーナーを曲がりきれない

俺はコーナーを曲がりきれないでいる

第三コーナーから第四コーナーへ

俺は外壁を破壊しながら走っている

スポンサーの名前が書いてある看板を壊しながら走っている

人々の声が遠くになる-

夢の世界でゆかいに宇宙をとんでたら

真夜中にいきなり目が覚めて急に引力の重さを畳の奥に感じて引っ張られている感じ

通勤の満員に近い電車のなかで

30cm離れた女の尻を3秒以上見つめない為に

懸命に他のものを見つめるためにいきなり慌てている感じ

秒針の音がどんどん大きくなるホラー映画みたい

そんな感じのなかで俺は少しあせっている

心の広い人や、すすんで物事を受け入れようとする人や

やさしい人が現代日本において、なめられるのはなぜか?

彼らは弱いか?

受け入れるから無理難題を突きつけられるのか

POWERとは何?

武豊とディープインパクトは遥かかなたへ駆けた

俺はまだ凱旋門を見たことがない

俺は何にさよなら告げるべきか

俺はコーナーを曲がりきれない

回転してまたフェンスに激突する






自由詩 凱旋門 Copyright 馬野ミキ 2006-10-23 23:12:35
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