真夜中
水在らあらあ






真夜中
雨の音で目覚めた
まだ家にはカーテンがないから 
部屋の中は 
街灯のオレンジ色で

隣に寝ているはずのおまえが
窓際に立って
そとを見ている
おまえのいつもはくすんだ金色の髪もオレンジ色だ

強い風が吹いて
白樺の葉がいっせいになびいて
おれは つらくて
おまえまで つめたい雨に打たれるようで
おれは つらくって
でも きれいだから

野良犬みたいな 櫛もいれない 
おまえのくすんだ金色が オレンジに燃えて
おれは つらくて 名前を 呼びたいけど 呼べなくて
見ていて つらくって きれいで おれは

こわいんだ こわいんだ きれいで 燃えて 
どっかいっちまいそうで 名前を
呼びたいけど そのままが きれいで 
だからやっぱり雨に 冷たい雨に打たれちまえばいいんだおまえなんか
燃えないで そんなに 燃えちゃいやだ
燃えたら 逃げてくから 水でしかない おれから
水でしかない おれの心から

強い風が吹いて
白樺の葉がいっせいになびいて
オレンジの火になったおまえがふりむいて
水に濡れたおれの目を見て
ベッドに
はしって
とびこむ










自由詩 真夜中 Copyright 水在らあらあ 2006-10-23 11:00:29
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