ゆらゆらするなら
A道化



わたしたちの
夜の


「わたしたちは
 夜のアスファルトに
 アルコールの溜息から順に
 音も立てずに
 わたしたちを、落としている」



体中で受け取って故意に重い
深海魚みたいな、わたしの


「わたしは
 あなたに
 お渡ししたくて堪らずに
 アスファルトに
 無数の曲線を引くために
 最後の指を、落とす」



ああ、優しいのだね、あなた、
空へ達してゆく溜息たちの
ゆらゆら黒い水位の夜に溶け込み
ゆらゆらするなら今、だなんて、
あなた、



2006/10/23


自由詩 ゆらゆらするなら Copyright A道化 2006-10-23 09:16:01
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