紙芝居
砧 和日
冬が来て りんごが
日毎に軽くなっていると わかった
まもなく分銅の 劣化がはじまり
正しい数値を知ることは 出来なくなったけれど
思いのほか冬が 長く続き
ある朝りんごは ついに消滅していた
たくさんの困難も あったけれど ようやく
重さが0になったに 違いなかった
自由詩
紙芝居
Copyright
砧 和日
2006-10-21 12:10:02