ただの 悪夢
もも うさぎ
いつもはつけるキャンドルのランプを
きのうはつけなかった。
突然、ものすごい疲労感に襲われて、
ベッドに倒れこんだから
真っ暗闇に
亡霊がつどう
あたしの上に乗っかったやつからは
BOSSの香水の匂いがした
抱きしめてほしい?とやつは言った
あたしは必死で体をねじった
心は助けを求めていたけど
どこかがものすごい勢いで冷めていく
あたしが逃げたいのは
あくまで自分自身からであり
亡霊はただの幻だ
どうすることもできないのだ
みかねた亡霊たちが
部屋のすみで踊る
あたしは泣くこともできずに
ひたすら待つ
解かれるのを 待つよりはない
悪寒と吐き気で目が覚めたとき
パリはまだ暗かった
あたしの戦っているものは
本来戦わなくてはいけないものなのだろうか
道は変えない
迷わず進む
それは戦いではない
でも
背中が死ぬほど冷たかった
むせる
BOSSの匂いを どうすることもできないのだ
未詩・独白
ただの 悪夢
Copyright
もも うさぎ
2006-10-20 21:13:10