前世紀
あおば
始まりの始まり
ゼロから始まり
ゼロに終わる
古びた社に幣を手向ける
立ち去る背に蝗の姿
農夫ということばも無い時代に
立ち去るという観念
喪失という確信
すべては幻想の下に始まり
終わらない毎日の
高く飛べない蝗のような営み
守衛の言葉に素直に従う姿
農夫のような姿に見慣れて
九官鳥のあっけらかんとした声に
思わず飛び退いて
ドアの外に出る
外は満月であった
という
見え透いた
幻想
透明板ガラス溶融
自由詩
前世紀
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あおば
2006-10-17 00:24:39
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