正義のパトロール
杉菜 晃


真夜中 岸辺に泳ぎ寄る魚は
不吉なほど黒い


昼の海からは
想像もできないほど大きく
ものものしい動きをする


これは
寝静まつた陸に
少女をさらひにきた悪魔の影だ


巡視の警官は
額と左右の手に一個づつ
都合三つの懐中電灯を
携行するやうになつた


公費では出ない
二つ分の光は私費をはたいて




未詩・独白 正義のパトロール Copyright 杉菜 晃 2006-10-16 18:02:44
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