環流の町
純太

この町の
坂を登り切った
いつもの場所へ

僕と君が一緒の週末も
この町を眼下に
何回めだろう

夜になると微かに靄が漂う
簡素で静かな町
僕達はこの町の中身を飲み
そして町の中身を食べている

君はこの町で快晴になり
夕暮れになり
曇天になったりもする
僕はいつも宇宙きどりで
君を見つめている

誰も気がつかない道端の微風
でも存在している微風
だからこの町も
僕達の眼下に迎える度に
新鮮に刻々と変化をする

隣り町も

あの町も

そして今夜また
行きつけの居酒屋のテーブルに上に
僕達の簡素な町が作られて
玩味しながら漂う

僕達はこれからも
この町の環流に
抱かれながら
生きてゆく


自由詩 環流の町 Copyright 純太 2004-03-17 23:39:37
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