朝のベランダ
umineko
詩なんか書いてる暇があったら
食器洗って
洗濯
洗濯物をたたむ
たたむと片付ける
掃除
ほこりは
目立たないように丸く積もる
詩なんか書いてる暇があったら
あなたが
やれリーディングだのオープンマイクだの
私はエプロンをつけたまま
まだ
明けきらない朝のベランダ
おそうじロボットが
這い回るほど広くない部屋
私の
私たちの
誰のための私の
ぎりぎりの
山の稜線を
赤く染めて太陽が昇る
遠いあなたが
家を買ったとメールが届く
まだ
卒後2年目
家
帰る家
いいねー、って返事を打つと
いろいろ
あんのよいろいろ、と
太陽は私に何も伝えない
あなたが
ひどくいとおしい
それは
家を買ったあなたなのか
私に
詩を教えてくれた
あなたなのか
真夜中の
朝は
何も伝えない
からっぽの部屋で
エプロン はずして
詩なんか書いてる暇があったら
私は