童心
キメラ




いしきとまる裏通りの星にふれ
かぜにひかりながら
まきあがった燐屑のポケット
スペースから既に世界は切り取られ
創傷な気圧はとても静かな私をうけいれた
しばらくの沈黙 またたき彩られた荘重
私をつれさり 繋ぎに赤い火花の絶音
にがりしめやかな強烈よ

ゆめ甘露と鼈甲飴に薄くひいた
自転のチューブを横水にくぐらせ
鬼の百夜ひそか レンゲ燃ゆる春のまぶしげや
めまい散らう 幾ばくかの変心光が
水晶石の洪水となり深緑をうめつくす

なんだ なつかしい匂いじゃあないか

きらきらひかり さらさらあそび
いろあせず とおくまであるく
もえていたのは 硫黄かそらか
すぐよこのほころびに 蒼い冷酷の点在
火花を放ち ずいぶんおおきな古代のかおも
ながれながら明滅したものだから
わたしはいそいで星なみをかつぎ 
おどるくちぶえに 漆夢を弛ます


たそがれていた夕刻のかわき
メンタリティードロップ 麗らかに
口端でなめして想う童心から

あめがふれば あさのうち曇り






自由詩 童心 Copyright キメラ 2006-10-09 17:47:23
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