観察日記、懐かしい人への手紙
小池房枝

ひとが壊れたり直ったりするのって
おもしろいね

生き物はケガしたり弱ったりするけど
壊れたりしないよ
それなのに人間は壊れる
病気になったり死んだりもするけど
ぶちっと聞こえて
壊れた時刻を特定できるような壊れ方をする

誰かが誰かであることって
一つの機械みたいなところがあるんだね

そのくせ直る
治ったりする

機械なら修理もなしに直ったり絶対しないよ

意思や努力には関わらず
目のとれた眼窩に触角を生やしたりしながら
半分に欠けてしまったなら残った半分だけで
生き物なんだね

ひとがなおっていくところを目の当たりに見て私は驚いたよ
祥っちゃん

わたしまだ生きてるよ祥っちゃん


自由詩 観察日記、懐かしい人への手紙 Copyright 小池房枝 2004-03-15 11:29:13
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