かなしみ



久し振りの雨音で目が覚めた
六畳一間がしとしと濡れる音
しずくのざわめきが障子から
淡暗い午後の光に溶けている

繰り返し寝直しても浅い眠り
一人だけだから広過ぎるのか
持て余す空間に、睡眠だけが
それでも僕を抱き締めるから




優しく優しく抱き締めるから

震える双肩、抱き締めるから




また、思い出せない夢を見る

浅い眠りに落下し続ける身体


自由詩 かなしみ Copyright  2004-03-13 20:36:24
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