なかったはずの
AB(なかほど)

今朝
澄んだ風が吹くようなので
ぶらりと散歩に出た
用水沿いにも彼岸花
延期になっていた運動会の
開催を知らせる音が響くと
そういえば
と ついつい
よく晴れた空を見上げてしまった


あの日
君が泣き出すとは思わなかった
それを今頃思い出すなんて
思わなかった
相変わらず日々のニュースは
通り抜けてゆくのに


再び運動会の号砲が響いた
君は今頃
慌てておにぎりを握っている
家に帰って
裏の用水で彼岸花を見たよ
と言っても
きっとそれどころじゃない



fromAB


自由詩 なかったはずの Copyright AB(なかほど) 2006-09-24 18:51:26
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