A道化







プラットホームを行き過ぎる風
の形をした夜、の度に剥離する熱
を見送ってわたしたちは
さらさら、
最後の車両の跡地で長引いて
蛍光灯の微かな痙攣音とも分離しながらわたしたちの
静かに互いを疎外する無数の黒い輪郭はそれぞれに
さらさら、さらさら鳴って
あ、
触れて欲しい、に
微かに似てしまった。
ああ、夜なのだね、
わたしたちの黒い輪郭はそれぞれ、
別々に、


2006.9.20.


自由詩Copyright A道化 2006-09-20 13:21:46
notebook Home 戻る  過去 未来