宝石夜
木立 悟





目のなかにちいさな音の遊ぶ夜



通りすぎまた通りすぎ唱は降る



手をかすめ消える笑みたち金のいろ



生と死を斜めに飾る毒の花



天と地のひとつ目の会う夜更けかな



道のうえ流れる棺桶つかまえる



忘れても忘れ足りずに咲く火かな



指と指はざまの水に消える雲



窓辺には眠る子らの灯ひとり道



何もない手に降りそそぐ宝石夜













俳句 宝石夜 Copyright 木立 悟 2006-09-15 21:50:22
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