キラキラを見ていられますように
もち子

「30分後に球場横に集合だね」

もう夏休みの終わりも近い。
4人が集まったのは24時の少しまえ。
バイト帰りも、レポート中作成中も、家でパジャマも、
メール一つですぐ集まっちゃう。
明日は明日の風が吹く。
虫の声と適当に並んだ4台のちゃり。

星を見に集まったっていいじゃん。
札幌の9月、もう夜は肌寒い。
あそこがアンドロメダ座。
あっちの明るいのがカペラだよ。
どれ?どっち?
下の方のやつ
わかったわかった!!

露で濡れた草に寝転んで、
指差しながら、笑いながら。
寒くなってきたね、と突然始まる鬼ごっこ。
ケラケラ笑って、わらってはしって。

こんな時間は今だけなのかな。
いつか終わりが来ること、知っているよ。
でも、そんな馬鹿げたことはだれも口にしない。
自覚的な学生は醒めてるって言われるかな。
別に言われたってかまわない、ふふ。
言いたくないもの、
「あの頃はよかった」だなんて。
今をいっぱいに生き続ければ良いじゃない。

笑い疲れて地面に転がる。
見上げた天にキラキラしてる。
変わったことは星座が少し進んだことだけ。
ずっとずっと星は輝き続ける。
ずっとずっと人は歳を取り続ける。
ずっとずっと星を見上げられる人でいたい。


自由詩 キラキラを見ていられますように Copyright もち子 2006-09-14 04:19:38
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