う た
yozo

ドがドーナツのドじゃない と知っている彼は
どんなに努力したって叶わないことを繋ぎとめる為
いつまでそのヒモを握っていればいいのか本当は知りたくない

レがレモンのレより遥か高濃度に市場をにぎわす昨今
Cの字に惑わされた彼女は
ベタベタの蜜を顔や腹に塗りたくり
祈るような表情で鏡に映る他人ばかり見ている

ミがミンナのミほど沢山を抱えこめないこの世界に
スペシャルな言葉をみつけたいと願うキミは
今夜こそどこかのアーケードで
音も無くもちろんメロディなど追い付けない鋭さの
キミにしか読めない暗号が
打ち捨てられていやしないかと息を潜め耳を澄ます
高鳴る鼓動じゃ格好悪いから誤魔化しにそっと呟く
声など疾うに無くしたのを気付くのはずっと先

ファがファミコンしか意味しなくなって始めて母は
エルモードと出会い系にいいように嬲られる快楽に溺れ
夕飯などそっちのけ 顔も知らない愛人と純粋を紡ぎあう

ソが青いソラというのは何十年も昔の話だと嘯くひと
朝っぱらから空だけを眺め続けながら言うものだから誰も信じない
見上げた上は無色の空白それこそがウソだ騙されてるんだとまた囁く

ラ、ららららラもつれた舌は無数に割れて丸まりそのいくつかで螺旋をかたどる
右と左が分岐して以来頭よりも腰が動くのは本能なのだと
キミは言っていたけれど ほんとかどうかは分らなかった
ボクにはまだ半分も見えないけれど全ては最初から決まっているから
キミは先にいったのでしょう

し。と開いたキミの唇にあてがわれた細長い指薄い爪先
うっすら上がった口角のカタチなんかが記憶にやけに残っている
ボクはつられて押し黙ってキミに笑われるしかなかったけれど
キミは何回その唇で し。の後を続けて微笑んだろう
最後に見たのも笑顔だった
白くひんやりと微笑んでいた










わき上がる
叶わない
焦がれ続ける
いつまでもあるコレはなんだろう
分らないフリをしたのは何故だろう

 ほんとはもっとかんたんでいいの

キミの声が
ボクの耳に届きました

 聞こえたままの音と気持ちで
 アナタだけの言葉とニオイで
 それがいちばん気持ちいいから
 わたしはそれが大好きだから

キミの言葉が今やっと


自由詩 う た Copyright yozo 2004-03-11 00:36:03
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